〜生徒会長を輪漢〜
いつもの学園の生徒会室では、生徒会役員である生徒会長、2人の副会長、書記の4名が集まって、いつものように作業に追われていた。
受験のある3年生にかわって、毎年秋に新しい生徒会役員が選ばれることになっていた。そして今年は5年ぶりに女子生徒が会長に選ばれた。それは篠原
綾子(しのはら あやこ)という、ちょっと釣り目の美少女だ。
綾子は背が高くスポーツ万能。出るところは出て締まるところは引き締まったモデル顔負けのプロポーションを誇っている。
性格は曲がったことが嫌いな正義漢で、気が強くキツイ言動で騒動の原因となることも多いが、頼まれるとイヤと言えないあねご肌の少女で、男子はもちろんだが特に女子に人気があった。
副会長は必ず男女の2名が選ばれることになっていた。男子の副会長は中島
真(なかじま まこと)、女子は長谷川
初美(はせがわ はつみ)という。
中島は学年トップの秀才だが、学校の勉強だけでなく、TVタレントからアニメ・ゲームに至るまで話題は豊富で、Hな話でもOKな人付き合いのよい好青年だ。今回の会長選挙では惜しくも次点に涙を呑んだ。
初美は綾子とは正反対におっとりした性格で、身長は普通だが学校でも1、2を争う巨乳の持ち主で、男子生徒の人気No.1の美少女だ。
1年前、初美が1年の時に下着姿の盗撮写真が出回り、学校の男子生徒のほとんどがそれを買ったらしいという伝説がある。もちろん中島も買ったクチだ。
書記は柊 七枝(ひいらぎ ななえ)といって、生徒会メンバーでは唯一の1年生だ。
七枝は小学生でも通るかという小柄で華奢な少女だが、漆黒の髪に桜色の透き通る肌、大きな瞳に小さな朱の唇がおとぎばなしの妖精のような超美少女である。
休日に街を歩けば必ず芸能プロのスカウトが声をかけてくるし、ロリコン男がストーカーのように付きまとうので、家が近所の綾子といつも一緒に行動しているのだった。
ちなみに書記は選挙ではなく、立候補者から会長、副会長が選ぶことになっていた。
生徒会室は旧校舎を取り壊して作られた新しい校舎にあり、完成したばかりの新校舎はまだ建材の臭いがしている。しかし閉めきった室内は少女たちの甘い匂いで満ちあふれ、生徒会役員の唯一の男子の中島は気になる初美のあんな姿やこんな姿の妄想を膨らませながらついでに股間も膨らませるのが常だった。
(ああ、長谷川さんの胸のボリュームったら……むちむちと柔らかそうだなぁ……
あのおっぱいに触ったら、どんなだろう…… ああ、揉んでみたい〜〜)
隣りに座る好青年が卑猥な妄想でうつつを抜かしているなど、少しも思いもせず、綾子は手にした書類を3人に示しながら明日の生徒会会議の議題について話をしていた。
「……ということで、宿泊棟を3年生の自習室としてため、パソコン部には移動してもらう、という方向でいきたいんだけど、どう?」
「でもぉ、それじゃあパソコン部から絶対文句が来るわよ?」
「どうでもいいのよ! パソコン部なんて!」
「ひやっ!」
鋭い口調に、書記の七枝がびくっとして会長を見つめた。
「あの部の文化祭での展示を見た? 小学生でもできるような内容よ。活動計画書も適当なことしか書いてないし……どうせ部室でいやらしいゲームでもやっているのよ!」
(はは〜、それが原因か? 相変わらず鋭いなあ……)
中島はパソコン部の部長と同じクラスで、よくゲームとかソフトとかをコピーしてもらっていたので、綾子の考えが事実であることを知っていた。
「会長の言うことももっともだけど、いきなり決めるのはマズイんじゃないかな?
例えば活動計画書を再提出させるとか、なにかチャンスを与えないと、また独断だ! とか言われかねないよ?」
初美も中島の意見に賛成と、コクコクとうなずいている。やり手の生徒会長に文句を言ってくる生徒の応対は主に副会長の2人の仕事だった。
「ん……ま、そうかもね。 わかったわ。明日の生徒会会議ではそういうことにしましょう」
こうなれば綾子も折れるしかない。いつも苦労をかけている副会長2人が反対意見なのだから。
「あれえ? めずらしいですね、あやセンパイがこんな簡単に折れるなんて……
いつもだったら……」
「なんですってぇ〜!?」
「きゃあ! ああん、初美センパイ助けてぇ」
半分おどけた口調で悲鳴をあげて、七枝が初美の影に隠れて綾子の鋭い視線を避けた。
「もう! 七枝ったら!」
「あははは」
「えへへへ」
「くすくす」
「ふふふふ」
明るい七枝のおかげで重い雰囲気が晴れ、生徒会室に暖かい笑い声があふれた。
|