翌日の放課後、各部の部長を集めて生徒会会議が行われ、その最後の議題として綾子が切り出した。
「では、最後に……パソコン部に要望があるのですが、現在パソコン部が使用している宿泊棟を空けてもらえないでしょうか?」
「なんだって!?」
生徒会長の言葉に、パソコン部の部長が椅子を飛ばして立ち上がった。
驚く部長を尻目に綾子は言葉を続けた。
「3年生から受験勉強の自習室が欲しいという要望が以前から上がっているんです。
しかし、いま空いている部屋は宿泊棟くらいで……その場合、あなた方の部活の音が勉強の妨げになってしまうので、宿泊棟内での部活をやめてほしいのです」
「だったら、俺たちはどこで部活すりゃいいんだ?」
「放課後だけ、どこか適当な教室にパソコンを持ちこめばいいでしょう。部室そのものは宿泊棟のままでいいですから」
「んな面倒なことできるかよ! パソコンにはでかいのだってあるんだぜ!」
テーブルを叩いて怒鳴る部長を中島が制した。
「伊藤! 気持ちはわかるが、いまは会議なんだぞ。少し落ち着いてくれ。
それに話はまだ続きがあるんだ」
「………ちっ」
同じクラスの友人である中島にそう言われ、パソコン部部長は倒れたパイプ椅子を戻すとどかっと座って腕組みをした。
「こほん! みなさんもお静かにねがいまぁす」
ざわついた雰囲気を、初美のおっとりした声が静めた。
「そもそもパソコン部からちゃんとした活動計画書が出ていれば、こんなお願いをする必要もなかったのですよ」
「あーいや、……そ、それは……」
「そこで、明日の昼までにもっとキチンとした今後の活動計画をまとめて持ってくるなら、本件は保留とします」
「ほっ……それなら…… って、おい! 明日の土曜は学校は休みじゃないか!?」
「私たちは生徒会の作業があるので明日も登校するつもりです。
それにいくつかの運動部は休日でも練習していますよ」
「わーったよ。……明日、活動計画書を生徒会室に持って行けばいいんだな?」
「そういうことです」
綾子は会議の参加者を見回して
「ほかに何か発言はありませんか。……では今月の生徒会会議はこれまでとします。
みなさんお疲れ様でした」
「お疲れさまでした〜」
会長の礼にならって参加者が礼をして会議が終了した。
宿泊棟に通じる小道をとぼとぼと歩きながら、パソコン部部長の伊藤は頭を抱えていた。
「……ちきしょー! 参ったな。計画書ったってなぁ……マジどうする?」
部活と言っても、綾子の想像どおり、部員たちはアダルトサイトを見て回ったり18禁のパソゲーを落として遊ぶくらいしか活動していないのだ。
(せめてだれかがCGのひとつも描いていれば何とかなるんだけどなぁ)
「えーと、お前、パソコン部の部長だよな?」
「え!?」
突然ポンと肩を叩かれ、伊藤は驚いて振り向いた。
「俺は3年の小林ってんだが、ちょっと話があるんだけど、いいかな?」
「はあ。……何すか」
見ると男の後に女子生徒が二人立っていた。やはり3年なのだろうか、二人とも艶やかで色っぽい雰囲気の美女だ。
「ねえ、ここじゃあ寒いしぃ」
「あなたの部室でお話しません?」
「え?あ……ちょっ、ちょっと……あ!?」
2人が部長の腕を取って身体を寄せてきた。制服からはみ出しそうな巨乳が腕に押し付けられて、部長はどぎまぎしてしまう。
伊藤は美女2人に挟まれたまま宿泊棟へと引っ張られていった。その後ろから男が付いていく。ずる賢そうな笑みを浮かべながら。
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